宮崎県林業構造改善協議会について

「林業構造」とは

「林業構造」とは、つまりは木材にかかわる産業全体の構造のことです。

 林業構造にはいろいろなタイプがあります。たとえば縄文人のように石斧で天然林を伐採し、自分たちで掘っ立て小屋を建てるような「林業構造」もあれば、江戸人のように、杣人(そまびと)がノコギリで伐採し、筏(いかだ)に組んで川に流し、それを柱や板に挽いて町まで運ぶような「林業構造」もあります。「林業構造」は、森林資源や技術、組織、文化などによってさまざまに姿を変えるのです。

林業構造改善事業の目的は、その名の通り「林業構造」を改善することです。

 林業構造改善事業の始まりは、昭和40年代までさかのぼります。当時の林業構造は、川上で大規模な人工林造成が進んだにもかかわらず、川下の木材加工業は小さな家族経営がたくさん寄り集まっているような状況でした。これでは大規模な需要に対応できないし、これから出てくる人工林資源を活用できない。そのような考えから、木材加工業を強化するため、林業構造改善事業が始まりました。

 その後、林業構造改善事業は、第2次、第3次と続いていき、木材加工業の強化だけでなく、素材流通や素材生産の強化にも活用されるようになりました。私たちの協議会に森林組合や木材加工業者、素材生産業者が加わっているのは、このような経緯のためです。

 

 また、当時の林業構造改善事業には山村の地場産業育成という目的もあり、「地域林業」というキーワードとセットで展開しました。私たちの協議会に、このような経緯から市町村も加わっています。

リンコー(林構)にしかできない役割があるのではないか。

 林業構造改善事業という名称のシリーズものの事業は、1990年代後半にいったん終了します。しかしその後も、「国産材新流通・加工システム」や「新生産システム」、「森林整備加速化」、さらに近年では「林業の成長産業化」や「地域内エコシステム」へと事業は継承されています。

 私たちの協議会は、「リンコー(林構)」の名前を引き継ぎながら、これら林構の系譜につらなる事業の適正な運用・執行を目的に情報共有や人材育成などのさまざまな活動をおこなっています。